抱っこひもは防災グッズになる?

抱っこひもは本来は育児用品ですが、防災グッズになるのでしょうか?

答えは、もちろんイエス。
抱っこ紐は「防災時にも役立つ道具」と言えると思います。

特に避難時に子どもを安全に抱えるため、そして抱えながら両手・または片手を空けられる点は、防災の観点でも合理的な使い方といえます。


なぜ抱っこひもは防災時の避難で役立つのか

災害時の避難では、「安全に移動すること」と「両手を使える状態を保つこと」が重要になります。
乳幼児がいる家庭では、これが大きな課題になります。

例えば、赤ちゃんを腕だけで抱えて避難する場合、

・バランスを崩しやすい
・荷物を持てない
・階段や段差が危険になる

といった問題が起きやすくなります。

私も子どもが小さいときに、片手で買い物袋を持ち、片手で抱っこしながらバスに乗っていた経験がありますが、片手で抱っこだけでも大変ですが、発進や停止のたびにバランスを崩しそうにもなるので、買い物袋を持っている手で棒やつり革に掴まったり、荷物は足元に置いて揺れに備えるなど、けっこう必死で乗っていた記憶があります。

私は、当時家にあった腰ベルト付きの抱っこ紐は一人では着用できず、ベビーカーもエレベーターがない場所では逆に不便になってしまうため、素手抱っこがメインでした。しかし、バスや電車などの揺れの中でもちゃんと抱っこするには抱っこ紐がとても便利で、移動も楽になります。
そして抱っこ紐を使うと、両手または片手が空き、荷物を持ったり、手すりを使ったりすることも容易になります。

実際に多くの自治体の防災ガイドでも、乳幼児家庭の避難方法として「抱っこひもの活用」が紹介されることがあります。

つまり抱っこひもは、本来は防災専用の道具ではありませんが、避難時の安全性を高める可能性のある道具の一つといえます。


抱っこひもを防災時に使うメリット

避難時に両手が使える

抱っこひもの最大のメリットは、両手が自由になることです。

災害時には、

・避難袋を持つ
・ドアを開ける
・手すりを使う
・上の子の手を引く

といった行動が必要になります。

赤ちゃんを腕だけで抱えていると、こうした行動が難しくなります。
抱っこひもを使うことで、安全に行動しやすくなります。


長時間の移動でも体への負担が少ない

赤ちゃんは体重が軽いように感じますが、長時間抱き続けると大きな負担になります。

例えば10kgの子どもを腕だけで抱き続けると、腕や腰への負担は非常に大きくなります。

抱っこひもは肩や腰、そして体全体で重さを分散する構造になっているため、長時間の移動でも素手抱っこにくらべると大幅に負担を軽減できます。

避難所まで距離がある場合や、公共交通機関が止まっている状況では、この差が大きくなります。


子どもが安心しやすい

災害時は、大人だけでなく子どもも強い不安を感じます。

抱っこひもで密着している状態は、赤ちゃんにとって安心しやすい姿勢といわれています。

普段から使い慣れている抱っこひもであれば、慣れた姿勢で移動できるため、子どもの不安を和らげる助けになる場合があります。


防災の視点で抱っこひもを使うときの注意点

抱っこひもが役立つ場面はありますが、防災専用の道具ではないため注意点もあります。

すぐに使える状態にしておく

災害は突然起こります。
抱っこひもがどこか奥のほうににしまわれていると、すぐに使えません。

・普段使いのバッグの中
・防災バッグの近く
・玄関ちなく

など、すぐに取り出せる場所に置いておくことが大切です。


普段から使い慣れておく

抱っこひもは装着方法に慣れが必要です。

災害時に初めて使おうとすると、

・装着に時間がかかる
・正しく装着できない

といった問題が起きる可能性があります。

そのため、日常生活の中で使い慣れておくことが重要です。


子どもの月齢や体格に合ったものを使う

抱っこひもは対象年齢や体重が製品ごとに異なります。

避難時に安全に使うためには、

・対象体重
・安全基準
・装着方法

などを確認しておくことが大切です。


防災士の視点から見た「抱っこひもと防災」

防災の基本的な考え方に「フェーズフリー」という考え方があります。

これは、
普段使っているものを、非常時にも役立てるという考え方です。

特別な防災用品だけに頼るのではなく、日常の道具を防災に活かすことで、実際の災害時にも使いやすくなります。

抱っこひもはまさにその代表的な例といえます。

普段の育児で使い慣れている道具だからこそ、災害時にも自然に使うことができます。

防災用品を「特別なもの」として準備するだけでなく、日常の道具をどのように活かせるかを考えておくことも、防災対策の一つです。


実体験:防災イベントで感じた「抱っこひもの必要性」

防災イベントなどで濱帯を使った、抱っこやおんぶ体験、また濱帯を使った綱引きなどを体験してもらうことがあります。
やはり、いざという時に「初めて」より、1回は体験しておくと心にゆとりが生まれると思うのです。

実際に体験すると、例えばそこに帯が無くても、風呂敷やカーテンなどの布を代用することができたり、綱引きで生地の強さを知っておけば、ロープが無いときなどにカーテンを代用するなどのアイデアも浮かびやすくなるのだと思うのです。

こうした体験からも、抱っこひもは防災専用品ではないものの、乳幼児家庭にとって非常に実用的な道具の一つだと感じています。


抱っこひもと防災に関するQ&A

抱っこひもは防災グッズとして準備したほうがいいですか?

必ず専用に準備する必要はありません。
普段使っている抱っこひもを、避難時にも使えるようにしておくことが大切です。


避難袋の中に抱っこひもを入れておくべきですか?

普段使っている場合は、避難袋に入れるよりも「すぐ装着できる場所」に置いておく方が現実的です。


抱っこひもは何歳まで防災で使えますか?

製品ごとに対象体重や年齢が異なります。
一般的には体重15kg前後まで対応しているものが多く、幼児期まで使用できる製品もあります。


まとめ

抱っこひもは防災専用の道具ではありませんが、避難時には役立つ可能性があります。

特に

・両手を空けて移動できる
・長時間の抱っこでも負担が少ない
・子どもが安心しやすい

といった点は、乳幼児家庭の避難行動にとって重要な要素です。

日常の育児用品を防災にも活かすという視点を持つことで、より現実的な備えにつながります。


この記事を書いた人・監修者

■ この記事を書いた人・監修者
子育て応援ブランド パパコソ ディレクター
防災士/日本子育て学会 子育てコミュニケーター
半田 真哉

二児の父。抱っこひもやパパバッグの企画・開発を行い、父親子育てをテーマに実践と研究を続けています。
日常と非常時の両面から、家族にとって無理のない子育て環境づくりについて発信しています。


日常の育児と防災は、決して別のものではありません。
普段から使っている道具こそ、いざという時に最も役立つことがあります。

パパコソでは、日常でも非常時でも使いやすい抱っこアイテムの開発を続けています。
興味のある方は、以下の商品ページも参考にしてみてください。

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